美しく年を重ねたい。ワインも人も、そうありたいと思います。できたての若いワインにも味わいが
ありますし、年を重ねたワインにはずっと複雑な
味わいが加わります。
また、飲んだあとで折にふれてそのワインを思い
出すことで、思い出が味わいにもなってくれます。
ワインのすごさは、ぶどうを搾って発酵させて、
ある程度天の恵みが味を決めるということ。
ワインの発酵とは、酵母という微生物によって、
ぶどうのなかの糖分がアルコールと炭酸ガスに
変化することです。
そして瓶に詰めたあとは、そのなかの世界だけで
育っていきます。10年、20年、30年。
樽で熟成させるのは酸化熟成で、瓶に入れて
からは液体のなかに入っている空気と酸素、
そのほかいろいろなものと何十年も生きている
わけです。
混ぜものもしないし、加熱するわけでも
ありません。それを還元熟成というのですが、
瓶のなかで何十年も生活していくことを思うと、
神秘的であり、愛おしくもなります。

